オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

1on1ミーティングに冷める若者たちの心理を考える

日経ビジネスに『中身のない1on1に冷める若者の心理 「仕事で本音を言う必要あるのか」』という記事が掲載されていました。

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business.nikkei.com

職場の「1on1ミーティング」や「エンゲージメントサーベイ」に対する若者の反応が冷ややかだという記事を読みました。

この現象には、世代間の価値観や職場観の違いが深く関係しているようです。今回は、若者が1on1ミーティングを「中身がない」と感じる理由や、改善のためにできることを考えてみます。

昭和世代は、仕事を通じて自己実現を図ることが当たり前とされてきました。しかし、若者世代は仕事以外の場所で自己承認を得る方法を多く持っています。趣味やSNS、さまざまなコミュニティがその場です。そのため、職場で評価を得たり、仕事で本音を語ったりすることが必ずしも重要だとは考えていません。

この価値観の違いは、1on1ミーティングに対する若者の冷めた態度として現れています。「どうせ何も変わらない」「言ったところで意味がない」といった諦めが、若者世代の多くに見られる傾向です。

saiyo.employment.en-japan.com

1on1ミーティングは、部下と上司のコミュニケーションを深めるための場として広く採用されています。しかし、若者にとって「形骸化している」と感じられる場面も少なくありません。その理由には以下が挙げられます:

  1. 目的が不明確
    「何を話せば良いのかわからない」という部下の声が多いようです。具体的な改善につながる会話がなく、ただ形式的なやり取りに終始するミーティングでは、時間の無駄だと感じられます。

  2. 心理的安全性の欠如
    上司との信頼関係が十分でない場合、本音を語ることはリスクとみなされます。「余計なことを言うと評価が下がる」と考える部下が多いのです。

  3. 組織全体の問題
    エンゲージメントサーベイストレスチェックが改善に活かされていないと感じる若者が多いことも、1on1への期待感を下げています。

1on1ミーティングが形骸化しないためには、上司側が意識を変える必要があります。以下のポイントを意識することで、若者世代の信頼を得ることができるかもしれません。

  1. 目的と期待値を明確にする
    「なぜ1on1をやるのか」「何を目指しているのか」を、部下と共有することが大切です。仕事上の課題だけでなく、キャリアの方向性や日常の悩みについても話せる場として位置付けましょう。

  2. 心理的安全性を高める
    普段の軽い雑談やアイスブレイクを活用し、部下が安心して話せる環境を作ります。「話しても大丈夫」という信頼感がなければ、本音は引き出せません。

  3. 柔軟なコミュニケーション手法を試す
    1on1に代わる方法として、「交換日記」や週報で意見を共有するなど、形式にとらわれない柔軟なアプローチを試すのも良いでしょう。

  4. 現場の観察を重視する
    個人の問題に矮小化せず、組織全体の構造やタスクの適正配分を見直すことで、根本的な課題にアプローチします。

1on1ミーティングやエンゲージメント施策が成功するかどうかは、上司が若者世代の価値観をどれだけ理解し、寄り添えるかにかかっています。形式的な施策ではなく、双方向のコミュニケーションを重視することで、若者たちの信頼を得るとともに、組織全体のエンゲージメントを向上させることができるでしょう。

対談の虚実――架空対談の魅力と学び

ChatGPTを使っていろいろと研究をしているのですが、その第一弾として「専門家同士の架空対談」という企画を行ってみたのです。

note.com

これがなかなか面白く、それぞれの分野の専門家が本当に話しているのではないかと錯覚するぐらいのディスカッションが行われました。

これはせっかくなので記録しておきたいと考え、これまで閲覧でしか使っていなかったnoteに投稿して残すことにしました。

架空対談の第一弾は、「インストラクショナルデザインコーチングの専門家(フィクション)の対談」です。

それぞれの知見が融合されていき、新たなモデルが生み出されていくところは興味深いです。

基本的には「肯定ファースト」な展開なので、読んでいる方も不快に感じないので安心です。

あえて、それぞれの分野のアンチに登場してもらって疑義をぶつけてみました。

この返しなども参考になります。

あくまでもフィクションですし、エンタテインメントとしてご覧いただければありがたいのですが、私の知っている限りで監修はしており、今のところおかしな点は見当たりませんので、一定の学びにもなることと思います。

よろしければ、ご一読いただければ幸いです。

コーチングの価値と課題:ビジネスパフォーマンスの向上と認知の誤解

今回は、コーチングに対するポジティブな効果と、依然として存在するネガティブなイメージについて考えてみたいと思います。

PR TIMESに掲載された『コーチングは怪しい?ネガティブなイメージを持つ人がいる一方で、コーチング利用経験者の約7割が仕事でのパフォーマンス向上に効果を感じたと回答』という記事では、コーチングを受けたビジネスパーソンの約7割が仕事におけるパフォーマンス向上を実感していることが報告されています。

これは、コーチングが明確な目標設定や自己理解を深めるプロセスを通じて、個々のパフォーマンス向上に貢献していることを示しています。

prtimes.jp

しかし、一方で「コーチングは怪しい」という不信感やネガティブな印象を持つ人がいるのも事実です。

この記事でも触れられているように、コーチングが比較的新しい概念であることや、その効果が目に見えにくいことが、不信感を生む要因の一つとなっています。

特に、コーチングが「自己啓発」の一環として誤解されることが多く、これが「怪しい」というイメージを助長しているのです。

皆さんも、インターネットで「コーチングは怪しい」と検索したことがあるかもしれません。

その検索結果から浮かび上がるのは、コーチングに対する懐疑的な視点が一定数存在するという現実です。

これにはいくつかの理由が考えられます。

まず、コーチングが比較的新しい概念であること、そしてその効果が短期間では見えにくいことが挙げられます。

また、一部のコーチが専門知識や経験を欠いている場合、クライアントにとって期待外れとなり、「怪しい」という印象を与えてしまうことも少なくありません。

さらに、コーチングが自己啓発やスピリチュアルな要素と混同されることで、不信感が増幅されているのです。

こうした状況を踏まえ、コーチングの価値を正しく伝えることが今後ますます重要になってきます。

具体的な成果を示し、コーチの専門性を証明することで、コーチングに対する信頼を高めることができます。

クライアントとの信頼関係を築き、透明性を持ってコーチングプロセスを進めることが、コーチングが「怪しい」と思われる状況を打破する鍵となるでしょう。

最後に、コーチングが単なる「怪しい」活動ではなく、実際の成果に結びつく有益な手法であることを広く伝えることが重要です。

クライアントにとって、コーチングが自己成長と目標達成のための確かなツールであることを理解してもらうために、私たちコーチは常に自分自身のスキルを磨き、クライアントに対して誠実である必要があります。

それでもなお、コーチングの有効性が高く評価されている理由の一つは、その投資対効果の高さにあります。

企業が従業員に対してコーチングを提供することで、パフォーマンス向上や離職率の低下といった具体的な成果が得られることが示されています。

コーチングの普及とともに、その価値を正しく理解し、活用することが今後さらに重要になるでしょう。

コーチングが単なる「怪しい」取り組みではなく、実際にビジネスの成果に直結する有効な手法であることを多くの人々に知ってもらうことが、今後の課題となります。

この記事を基に、ビジネスコーチングの現状と課題を再認識し、効果的な導入と活用の方法を考えていくことが求められています。

では皆さんにとって、コーチングはどのような価値を持つ手法でしょうか?

一度考えてみて下さい。

人材育成の核:コーチングとは

人材育成の核になるアプローチが「コーチング」です。

一方で、「コーチングは意味が無い」と言う人も少なからずいます。

marketing-full-support.co.jp

もちろん、コーチングが効果を発揮しない場合もあります。

例えば、コーチングが効果を発揮しないケースには、コーチのスキル不足やクライアントの受け身な態度が大きく影響していることが確認できます。

さらに、コーチングは短期的な結果を求めるものではなく、長期的に自己成長を促すプロセスであることを強調することが重要です。コーチとクライアントの間に信頼関係を築き、クライアントが主体的に取り組むことで、コーチングは真の意味を持つものになります。

コーチングが効果的であるためには、単なる技術的なアプローチに留まらず、クライアントの価値観や目標に寄り添ったサポートが求められます。この点を意識してコーチングに取り組むことで、より深い成果が期待できるでしょう。

また、コーチングを実践する際に留意したいポイントがあります。

そのポイントが「コーチング・コンピテンシー」としてまとめられています。

news.yahoo.co.jp

この記事では、コーチングにおける「コンピテンシー」を、コーチがクライアントにポジティブな影響を与えるための実力や潜在能力と定義しています。効果的なコーチングは、コーチの行動やスキルがクライアントの行動変容に影響を与えることが示されています。コーチがオープンで好奇心旺盛な姿勢を持つことが、クライアントにも同様の態度を促し、成功につながると述べられています。

また、コーチングの影響を調査したところ、自己管理に関わるコンピテンシーがクライアントの行動変容に最も効果的であった点は、コーチングにおける自己規律と感情管理の重要性を強調しています。コーチの達成志向が大きな影響を及ぼしたことは、明確な目標設定と計画立案がクライアントの行動に大きな変化をもたらすことを示唆しています。これは、特に複雑な環境で効果を発揮する能力です。

さらに、適応力と感情の自制も、自己管理において重要であり、クライアントに応じた柔軟な対応が求められることを示しています。社会的知性や関係性管理に関連するコンピテンシーも行動変容に寄与しており、特に共感や影響力がクライアントとの信頼関係を強化し、変化を促進する要因となります。

ビジネスコーチとして、これらのコンピテンシーを意識的に強化することは、クライアントの成功に直接的に貢献できる要素となります。特に、クライアントのニーズに合わせた計画的かつ柔軟なアプローチが、持続可能な成果をもたらすでしょう。

一方で、新入社員に対するコーチングは効果が限定的になるという指摘もあります。

www.jrla.jp

新入社員に対するコーチングの目的は、新入社員が早期に組織に適応し、自身のポテンシャルを最大限に発揮できるようサポートすることです。

しかし、コーチングの効果を最大化するためには、単に技術的なスキルを教えるだけでなく、個々の価値観やモチベーションを理解し、それに基づいて支援を提供することが重要です。新入社員は経験が浅いため、上司や同僚からの期待や職場の文化に圧倒されることが多く、そのような状況でコーチングが自己効力感を高め、職場での成功に結びつくのです。

また、コーチングを成功させるには、コーチと新入社員の間に信頼関係を築くことが不可欠です。この信頼があることで、新入社員はフィードバックを受け入れやすくなり、自分の成長に前向きに取り組むことができるようになります。

一方で、コーチングを提供する側も、自分自身が柔軟で適応力のあるアプローチを取る必要があります。個々の新入社員のバックグラウンドや性格によって、どのようなサポートが必要かが変わるため、画一的な方法ではなく、状況に応じた対応が求められます。

これまでご紹介してきたように、コーチングは状況に応じて使い分けることが必要です。コーチングを核にすることで、自分自身の意志で行動変容に結びつけることにつながります。

アンガーマネジメントのキモかもしれない『期待』というハードルの調整

怒りの正体について、「アンガーマネジメント」において解説されています。

怒りというか、イライラしたり、カチンときたいする要因は、「期待を裏切られたことに対する」負の感情でしょう。

だから家族、特に子どもに対して当たりがキツくなります。

それは、我が子への期待はかなり高いでしょうから。

logmiBizというサイトに『部下への「厳しい指導」が生む2つの悪影響
メンバーのやる気とパフォーマンスを引き出すマネジメント法』という記事が掲載されていました。

logmi.jp

これは、6月11日(火)に開催されたウェビナーの内容を記事化したもののようです。

この記事中では、一般的なアンガーマネジメントへのアンチテーゼも踏まえて解説されています。

私としては、「6秒ルール」は効果がありましたし、そのうえでの呼吸を整えることで怒りの感情を抑えられるようになったので、アンガーマネジメント自体は効果的だと考えている立場です。

最近は、よっぽどのことがなければ怒ることはなくなりました。

一方で、この記事内で指摘されている「期待」については、私も同じ考えです。

仕事だけではなく、プライベートを含めて振り返ってみても、怒りの感情がわくときの多くは「期待を裏切られた」ことによるものが多いと思います。

そういう意味では、「過大な期待」を一方的に抱くのはアンガーマネジメントとしてもよくありません。

目標管理においても、「期待の伝達」と「部下との交渉」が成功の秘訣と考えています。

相手がその期待に応える気が無いのであれば、空回りしてしまいます。

「私は、あなたにこんな期待をしているんだけど、どうだろう?」と相手の意向を確認することで「嬉しいです!がんばります!」となるか、「いや・・・ありがたいんですがさすがに厳しいです」となるか・・・

そのうえで交渉を通じて、期待値のハードルを調整することが大切です。

これもアンガーマネジメントの一環になるかも知れませんね。

自分を変える決断!効果的なセルフコーチングで自己成長を#加速

令和6年も半分が過ぎ去っていきましたね。

マイナビウーマンに『今年も残りあと半分。自分の本音と向き合うセルフコーチングのすすめ』という記事が掲載されていましたのでしょう介します。

woman.mynavi.jp

セルフコーチングとは、自分で自分をコーチングすることです。

コーチングについて、世界でも最大級のコーチング団体である国際コーチング連盟によると、「思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである」と定義しています。

icfjapan.com

もう少し分かりやすくするなら、「コーチングとは、コーチとクライアントが一緒に考え、アイデアを出し合いながら、クライアントが自分の潜在能力を仕事やプライベートで最大限に発揮できるようにサポートする関係のことです。簡単に言えば、クライアントが目標を達成するために、コーチが一緒に考えたり、アドバイスをしたりして助けるプロセスです。」と言いかえられるでしょうか。

では、セルフコーチングは何をすることかというと、「セルフコーチングとは、コーチがいなくても自分自身でコーチングのプロセスを実践し、自分の可能性を最大限に引き出す方法です。具体的には、自分自身に問いかけを行い、自分の目標を明確にし、それに向かって計画を立て、進捗を確認しながら自己改善を図ることです。セルフコーチングでは、自分の考えや行動を振り返り、新しいアイデアや解決策を見つけることで、より良い成果を目指します。」となるでしょう。

例えば、以下のように考えるわけですね。

  1. Goal(目標設定)

    • 「私は次の3ヶ月で新しいスキルを習得し、職場でのプロジェクトに応用したい。」
  2. Reality(現状の把握)

    • 「現在のスキルレベルは基礎的で、プロジェクトで要求されるレベルには達していない。」
  3. Options(選択肢の検討)

    • 「オンラインコースを受講する」「職場の先輩にメンターを依頼する」「関連する書籍を読む」
  4. Will(意志の確認と行動計画)

    • 「まずオンラインコースを選び、毎日1時間ずつ勉強する。進捗は毎週日曜日に確認し、問題があれば月曜日にメンターに相談する。」

このようにして、GROWモデルを使ってセルフコーチングを行うことで、自分自身の成長を計画的かつ効果的に進めることができます。

簡単に自分の行動を方向づけることもできるので、半年経った今こそ、セルフコーチングをしてみませんか?

コミュニケーションの重要性と変化

コロナ禍を契機に「1on1」が注目されています。

コロナ前だと、アフターファイブの「飲みにケーション」がありましたが、昨今はプライベートを大切にする若手社員が増えたこと、上司や先輩も家庭を大切にする状況にもなってきており、アフターファイブだからと飲みに行くことも減ったようです。

そこで、就業時間内でいかにコミュニケーションをとるか、ということで「1on1」が注目され、さまざまな企業が取り入れてきました。

一方で、「1on1」の意義やねらいが認識されず、上司が一方的に説教したり武勇伝を語ったり、自分の趣味の話を嬉々と話したりなど、本来の「1on1」が実践できずに止めていく職場も少なくないようです。

DIAMONDon-lineに『優秀なリーダーの「若手社員の育て方」…絶対に部下に「伝えるべきこと」とは?』という記事が掲載されていました。

finance.yahoo.co.jp

この記事では、『1分間マネジャー』の著者の一人であるケン・ブランチャードの状況対応リーダーシップを活用したコミュニケーションのあり方が紹介されています。

状況対応リーダーシップとは、メンバーのレベルに合わせてリーダーシップスタイルを変えることが重要であると指摘した考え方です。

この理論は、部下育成のステップとしても優秀なので、ご存じの方もいるかもしれません。

「1on1」でお悩みの方は、参考になさってみてはいかがでしょうか?