オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

社会人の悩みを考える:飲み会と新入社員

新入社員のフォローアップ研修などで悩んでいることを聞くとよく出る話が「飲み会の際のマナーや振る舞い」です。

社会人になるまで、宴会の経験はそうそうないでしょうから、確かに悩ましいことでしょう。

Yahoo!ニュースに『新入社員が青ざめた…慣れない「飲み会の幹事」でパニック、上司からのまさかのダメ出しに「もう会社辞めちゃおう」』という記事が掲載されていましたので紹介します。

news.yahoo.co.jp

この記事では、むりやり幹事を任された新入社員が試行錯誤しながら宴会をセッティングしたのに頭ごなしにダメ出しされ、それがきっかけで会社を辞めた事例が紹介されています。

本来の業務でもない宴会でむりやり幹事を任され、本人なりに頑張ったにも関わらずダメ出しの連続となると心も折れます。

私は、宴会の幹事を新入社員に任せるのは反対です。

なぜならば、宴会の幹事が何をするか、経験もしていないのでイメージを持つこともできず、かといって仕事ではないので先輩に根掘り葉掘り聞くのも憚られるということで遠慮をしてしまう・・・結果的に一人で悩んでしまう、という結末が見えるからです。

少なくとも2年目以上の若手社員でこれまで何らかの宴会に参加しており、幹事に対して乗り気な人に任せることが望ましいでしょう。

この記事の続編もありましたので、併せて紹介します。

gendai.media

この記事において、『新入社員にいきなり一人で幹事をさせるなんて無茶すぎる。そんな労力を使わせる前に、まずは本来の仕事を覚えてもらう方が先だ。』と登場人物のD川課長の台詞がありますが、私も同感です。

実は、先輩社員も飲み会の幹事については、『やりたい人がやればいい』と話しているようです。

www.j-cast.com

また、『会社でやる以上、飲み会の幹事であってもフォローや教育することは大事です』という指摘はもっともです。

そもそも、懇親を深め、人間関係を良好にしたり、普段接する機会の少ない人との情報交換などが会社の飲み会の目的のはずなのに、誰かが犠牲になるのは本質を外しているといわざるをえないでしょう。

今一度、飲み会について考え直してみたいですね。

ワーク・ライフ・バランスの変遷

NHK WEBに『「仕事より余暇を重視する人」65%に 民間団体調査で過去最高』という記事が掲載されていましたのでご紹介します。

www3.nhk.or.jp

この調査は、日本生産性本部が余暇活動に関する個人の意識などを把握するため、毎年実施しているそうです。

ところで、昭和52年の同様の調査がありましたので併せて確認していきましょう。

survey.gov-online.go.jp

この昭和52年の調査では、『あなたは,日頃どのような生活目標をお持ちですか。この中からあなたの生活目標に一番近いものを1つだけあげて下さい。』という問いがあり、『平和な家庭をもつこと』が39.4%とダントツでした。

あと、『人はどういう気持ちで働くことがたいせつだと思いますか。』という問いに対しては、『働くことは社会人としてのつとめである』が『お金を得るために働く』の31%よりも多い47%だったようです。

そして、今回のテーマでもある『仕事と余暇の関係』に関しては、『仕事は人並にやり,余暇も楽しみたい』が54.1%とぶっちぎりの一位でした。

『仕事1本に打ち込み,余暇はあまり必要ではない』は5.8%と昭和の高度成長期が去り、少し落ち着いた状況になると余暇を重視するようになるようです。

現代では、ワーク・ライフ・バランスという概念が浸透してきましたが、昭和の時代にそういう観点が無かったわけではないということなのでしょう。

イメージ的には、当時の日本のサラリーマンは「働き蜂」のように思われますが、マスコミなどが作った部分も大きいのかも知れませんね。

ジョブクラフティングで嫌な仕事を楽しさに変えよ!#モチベーション

DIAMOND Onlineに『【嫌な仕事が来た時】三流は「愚痴を言う」、二流は「黙ってやる」。では一流は?』という記事が掲載されていました。

diamond.jp

とてもキャッチーなタイトルだったので読んでみました。

要約すると一流とは「嫌な仕事だとまわりに悟らせない」ことだと述べています。

他にも『嫌な仕事の特徴とは?耐えられない9つの理由や耐えるための5つの方法などを紹介!』という記事を見つけました。

jobloom.jp

この記事では、嫌な仕事に耐えるためには、以下の5つの方法を試してはどうか、と提案されています。

  • ストレスを発散する:友人と飲みに行く、旅行する、趣味に没頭するなど。
  • 受け流す能力を身に付ける:上司の圧力を深く考えずに受け流す。
  • 目標を高く設定しない:完璧主義を避け、適度な目標を設定する。
  • 仕事とプライベートを完全に別とする:職場では本来の自分を出さず、プライベートと切り離す。
  • 仕事について深く考えない:気楽に働き、いつでも辞めても良いと考える。

他にも、「ジョブクラフティング」の発想で嫌な仕事を変える方法もあります。

nomad-journal.jp

この記事は非常に参考になるので、以下に要約してみました。

ジョブクラフティングとは
ジョブクラフティングは、退屈な作業や義務感のある業務を主体的に捉え直し、やりがいのある仕事に変える手法です。

3人のレンガ職人の例
イソップ童話のレンガ職人の話で、同じ仕事でも捉え方次第で意義が変わることが示されています。最初の職人は「レンガを積んでいる」と答え、次の職人は「大きな壁を作っている」と答え、最後の職人は「大聖堂を造っている」と答えました。

ジョブクラフティングの方法

  1. 自己分析:自分の強みや仕事の動機を明確にする。
  2. 関係者との関わり方を見直す:関わる人との接し方を工夫する。
  3. 仕事の意義を高い視点で俯瞰する:自分の仕事が社会や組織にどう影響するかを考える。
  4. 創意工夫:仕事のやり方を自分なりに改善する。

実行後の効果
ジョブクラフティングを実行することで、仕事に対するポジティブなエネルギーが生まれ、充実感が増します。また、リーダーシップや自律性が向上し、仕事の質も向上します。

組織のサポート
組織もジョブクラフティングを推奨することで、生産性向上や人材育成に役立ちます。社員の自律性を促進し、信頼を持って任せることで、より良い結果が期待できます。

まとめ

ジョブクラフティングは、嫌な仕事を自分の工夫と主体性でやりがいのある仕事に変える手法です。これにより、仕事の充実感やモチベーションが高まり、長期的な成長が期待できます。

 

以上のように、仕事の捉え方を変えたり、工夫をすることにより、「嫌な仕事」も自分事となり楽しさも感じられるようになるのではないでしょうか?

カスハラ条例の導入

産経新聞に『<独自>全国初のカスハラ条例 東京都が9月都議会に提出へ』という記事が掲載されていました。

www.sankei.com

少し前には、JR東日本がカスハラ対策に取り組むことがニュースになっており、全国的にも注目されました。

news.yahoo.co.jp

JR東日本と同時期には日本航空でもカスハラ対策を公表し、さまざまな企業でカスハラ対策に乗り出していることがわかります。

www.nhk.or.jp

そんな中で、「カスハラ条例」が制定されるかも知れないという流れになってきたことは企業の対策を加速させることに繋がるかも知れません。

カスハラによる健康被害も深刻化している現状です。

カスハラにお悩みの会社においては、今一度カスハラ対策について検討する良い機会かも知れませんね。

ジョブ・クラフティングの重要性とは

最近注目されている概念に「ジョブ・クラフティング」という考え方があります。

これは、米イェール大学経営大学院のエイミー・レズネスキー准教授とミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授が提唱した理論です。

jinjibu.jp

厚生労働省でも、ジョブ・クラフティングの重要性についてまとめているように、「仕事のやりがいや満足度を高めるために、自分の働き方を工夫することをいいます。

www.mhlw.go.jp

ただ、このように仕事に向き合うことはさほど新しいことではありません。

DIAMONDon-lineには、『新入社員時代の三木谷浩史さんは、コピー取りでさえ楽しんだ』という記事があり、新入社員時代の三木谷さんの仕事への向き合い方が紹介されています。

『コピー取りをお願いされたのだから、最もうまくコピーを取ろう、と考えたのです。どうすれば、最も美しくできるか。どうすれば最も効率的にコピーが取れるか。』

このような向き合い方もジョブ・クラフティングといえます。

また、「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けたひろゆきさんも『一般的にめんどくさいと感じる単純作業でも、少しだけゲーム感覚を追加することで、いろいろとストレスを減らしてこなせるようになります。』

と言っており、このような考え方を「ゲーミフィケーション」といいます。

wpb.shueisha.co.jp

ゲーミフィケーションとは、ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用する取り組みです。

歴史的にみると、新一万円札の肖像画にも採用された渋沢栄一氏もゲーミフィケーションを実践しています。

それが、「武州自慢鑑 藍玉力競」という地域全体の藍の品質を向上させるために「番付表」というアイデアを用いています。

まさにゲーミフィケーションです。

note.com

しんどい仕事だからこそ、ゲーム的な感覚を取り入れてワクワクするような実践をしていきたいですね。

仕事と休息のバランス:夏の休暇は人生豊かさの秘訣 #休暇取得

お盆の季節が近づいてきました。

お盆には、盆休みに入る会社もあることと思います。

一方で、夏の休暇は自分の都合に合わせて取得する会社もあるかもしれません。

そんなお盆に備えて、今回はForbes JAPANに掲載されていた『今がチャンス、「同僚全員が休暇中」に職場でやっておくべきこと』という記事をご紹介します。

forbesjapan.com

この記事自体は、海外の状況を背景にしていますので、ダイレクトに参考にならないかも知れませんが、ヒントになることはあります。

例えば、人が少なければ「割り込み仕事」は少なくなるため、任せれている業務に専念できることは間違いないでしょう。

さらには、人が少ないため職場は静かなはず。

集中力も高まることで、いろいろなアイデアも生まれそうです。

また、目標の振り返りにもこの時期は向いている点は「確かに」と思えます。

さて、一方で「お盆だからといって休めない」という方もいらっしゃるでしょう。

次は、LIFEHACKERというサイトの10年前の記事ですが、『「お盆も仕事」は警告サイン。8月に長期休暇を取ったほうがいい4つの理由』をご紹介します。

www.lifehacker.jp

この記事では、休むことのメリットについて記載されています。

健康のため、家族のため、という点の他に「ひらめき」が生まれるとか、社員や部下を育てることができる、という指摘はユニークです。

仕事をするにしても、休暇を取るにしても、自分の人生が豊かなものであるために選択したいですね。

**研修効果**を高めるためのマネジャーの役割

人材育成の業界にいると「研修効果」についての関心はどうしても高まります。

特に、私のようにインストラクショナルデザインに携わる人間からするとよりその関心は高まります。

PR TIMESというサイトに『中堅社員の60.8%が企業研修で成長が感じられていない。人事が理解していない現場の声とは』という記事が掲載されていました。

prtimes.jp

この記事では、残念ながら『「研修を受講したが、効果が感じられなかった」と約半数の回答』がなされたようです。

その理由からみえてくるものは、『企業研修を受講を実施する前に、受講の目的を明確に示すことがとても重要である』と結論づけられています。

実は、『人材開発研究大全』という論文集の一つでも同様の研究結果が示されています。

www.utp.or.jp

www.mercurich.com

これらのことから考えても、研修に送り出すマネジャーは、部下の研修内容にコミットし、さらには「この項目が気になるから、研修後に教えてくれないかな」などと研修内容について教えて欲しいというメッセージを伝えることも研修の効果を高めることにつながります。

間違っても、「この忙しい時に研修なんか・・・」などと研修参加前にぼやかないで下さいね。