「マネジメント」と「リーダーシップ」について、その違いが論じられることは少なくありません。
今回は、Harvard Business Reviewに『「素晴らしい組織」をつくるマネジャーの行動』という記事が掲載されていましたのでご紹介します。
この記事のキモは、
〇「マネジメントよりリーダーシップが高度」という幻想
〇「マイクロマネジメントはダメ」という誤解
〇「マネジメント」と「リーダーシップ」は両輪
という点だと思います。
私も、同様に考えており、どちらかが欠けてしまうとチームは混乱します。
それは、実体験からもそのようにいえるでしょう。
マネジメントは、古典的な定義によると「Getting things done through others」とあり、「他者を通じて物事を成し遂げること」とあります。
また、リーダーシップの古典的な定義によれば「リーダーは生まれ持った特性によってリーダーシップを発揮している」とありますが、一方でリーダーシップの理論は常に進化しており、最近では「サーバント・リーダーシップ」という考え方に変遷してきています。
これは、「権限を持つ個人ではなく、信頼に基づく集団の力で成果を導く」という意味です。
最新のリーダーシップ理論だと、「オーセンティック・リーダーシップ」があります。
これは、「倫理観をもちながらも、自分自身の考えや価値観をもとにリーダーシップを発揮すること」です。
とはいえ、リーダーシップの定義で最もしっくりくるのは「組織の目標を達成するためにメンバーの行動に影響を与えること、またその力のこと」です。
そして、2009年のWorld Baseball Classicの優勝記者会見でイチローが語った
「向上心。これが集まったチームは強い。
よくチームにはリーダーが必要だという安易な発想があるが、今回のチームにはまったく必要なかった。
それぞれが向上心を持って、何かをやろうとする気持ちがあれば、そういう形はいらない。むしろないほうがいいと思った。
僕は外からリーダーのような存在だと言われたけど、実際、中では何にもなかった。
向上心があればチームはいくらでも可能性が見出せる」
という言葉が、心に刺さっています。
チームの力を最大化する秘訣は、一人ひとりの「向上心を促すこと」なのかもしれませんね。