オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

ID(インストラクショナルデザイ ン)の第一原理 ~嚶鳴の学び舎バックナンバー~

今回は、効果的な学習環境を実現するために必要な5つの要件をまとめたM.D.メリルが提唱する「ID(インストラクショナルデザイン)の第一原理」をご紹介します。
まず最初の原理は、「現実世界の問題から導入する」ということ。
これは、明日にでも役立つ知識を獲得させることの重要性を説いたものです。
次の原理が「活性化」で、受講者の過去の経験を呼び覚ます働きかけの重要性を説いています。
三つ目が「例示」です。研修のアンケート結果でも、「講師の体験談が参考になった」という回答もあるように、事例を伝えてイメージしてもらうことが理解を深めるうえで大切であるということです。
四つ目は「応用」で、実際に受講者にトライしてもらいます。私の研修では、ゲームやロールプレイングをよく使っていますが、「知っているけどできない」ことを体感してもらい、継続的なトレーニングにつなげていただくよう働きかけています。
最後が「統合」です。現場で活用すべく、実際の状況を振り返り、アクションプランを作成することです。この際、職場における環境も重要になります。特に、上司が新しい挑戦を制止することがあります。こうなると、学んだことはほとんど意味をなさなくなるといっても過言ではありません。
結局のところ人の学びは、自分自身の学習だけではなく、学んだことを活かせる場をつくる管理職の支援も必要なのです。
今回とりあげた「IDの第一原理」は研修だけではなく、OJTでも活用できるモデルです。
皆さんの職場における学習環境についてチェックしてみませんか?
(参考:『教育設計についての3つの第一原理の誕生をめぐって」鈴木克明・根本淳子)

 

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