インストラクショナルデザインを構成する重要な要素の一つである学習理論は、第二次大戦中の米国において、バラス・スキナーらの研究などを中心にした行動主義心理学の知見を基に、効果的に学習者の行動変容を促すためのノウハウとして蓄積されていきます。
そして、米国の教育心理学者ベンジャミン・ブルームにより、学習目標を知識・技能・態度に分類することと完全習得学習という考え方が、その後の学習理論の発展に大いに影響を及ぼすことになりました。
また、行動主義心理学の理論を中心に発展してきた学習理論でしたが、スイスの心理学者ジャン・ピアジェの登場で、認知主義心理学を反映させていきます。そして、コンピューターの登場が、人間の認知過程を「情報処理」と見立てて考えるモデルが提案されていきます。
その後、学習に関する学際的な知見を取り入れる積極的折衷主義の立場で知見を蓄えていき、ロバート・M・ガニェの登場でインストラクショナルデザインが形をなすことになりました。