オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

戒めの言葉

「研修は、信用していない」

私の大好きな方から、初めてお会いした時に言われた言葉です。

正直、「全否定?」と戸惑ったのを覚えています。

ただ、いろいろとお話ししているうちに、その言葉の意味がわかってきました。

要するに、「ただ単に知識を得るだけの研修では意味がない。何か意識や行動が変わり、仕事に反映しなければダメだ」ということでした。

それは「我が意を得たり!」ということで、安心した次第です。

しかし、冒頭の言葉は、私の戒めの言葉として、研修を設計する際の心構えにしています。

来週の月曜日、また、その尊敬する方とお会いできます。

今からすごく楽しみにしています。

守破離

米国のP. ハーシーとK. ブランチャードが提唱したリーダーシップ論に「状況対応リーダーシップ」というモデルがあります。

リーダーシップ論ですが、どちらかというと部下指導論だと思っています。

この論で面白いのが、ティーチング・コーチング・エンパワーメントを上手く展開できる理論であることです。(直接的には言っておりません。あくまでも、私の解釈です)

で、この理論を知ってから、何かに似てるなぁ・・・と思っていたのですが、自分なりに「守破離」の考え方と近いなぁと思い至りました。

守破離」とは、人がある道を究めるのに歩むべき3段階のこととされています。

武道や茶道などの日本古来の『道』文化が発展、進化してきた思想であるといわれています。

「守」とは、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むことで、「破」とは、 師の流儀を極めた後に他流をも研究すること、「離」は、自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すことだといわれています。

日本の『道』文化は、奥深いものです。

欧米から輸入してきた考え方だけに移入するのではなく、このような日本ならではの考え方も大切にできればいいですね。

「創造的」のとらえ方

今日の授業では、私が気づかされることも多々ありました。

まず、「創造的な商品」という問いに対して、想定したのは「iPhone」だったり、「電気自動車」だったり、「コパン」だったり・・・。

けど、出てきたのは「針を使わないホッチキス」だったり「クルトガ」だったり・・・。

なるほど!と、感心しました。

まだまだ、身近なところに創造的な商品って登場しているのですね。

それと、一番衝撃的だったのが「ピアス」。

一見、創造的とは思えないのですが、その理由を聞いて納得しました。

自傷行為をオシャレに変えた」

なるほど・・・モノの見方について、まだまだ未熟だと考えさせられました。

江戸時代の商人の生き様

江戸時代の商人の生き様を書き綴った「日本永代蔵」という書籍があります。

これは、西鶴が47歳の時に綴ったものです。

その中には、さまざまな長者や商人の姿が生々しい描写で描かれています。

序盤で面白かったのが、長者の家に生まれて後を継いだ倅が、親の代よりも倹約というよりも吝嗇ともいえる節約をします。

ところがある日、文とともにあった大金を手にしたことから没落が始まります。

その文は、女郎が男に当てたものだったらしいのですが、手に渡らずにここにあるのです。

文を読んで哀れみ、島原まで持参したのは良かったのですが、魔が差した挙句、あぶく銭だから記念に遊んでから帰ることにしたのが運のつき。

遊びの魔力に取り込まれた男は、結局、資産を使い果たし家を没落させてしまいました。

節約も大切ですが、やはり行き過ぎは良くないということでしょう。

何事も、ほどほどに・・・

 

挨拶

新入社員研修では、「挨拶」の重要性が強調されます。
新入社員に関するアンケート調査などでも、挨拶によって「できる新人」と見なしたり、「トンデモ新人」と見なしたりするようです。
怖いことですね。
しかし、いくら研修で習得して帰っても、職場の先輩が挨拶していなければ、新人も挨拶を止め、結果的に「挨拶の無い職場」になります。
これは、負のスパイラルです。
どこかで断ち切らなければ、毎年毎年、「今年の新人は挨拶をしない」というぼやきになります。
まずは、経営者や管理者を筆頭に、挨拶のできる職場にしたいものですね。

経営のABC(当たり前のことを馬鹿にせずちゃんとする)

新入社員研修では、いつも初心に戻らないと!と反省します。
できるだけ、「謙虚に謙虚に」を心がけているのですが、どうしても、「天狗の鼻」が伸びてきそうになります。
そんなとき、「ABC人間」という言葉で考え直すようにしています。
「ABC人間」とは、「当たり前のことを馬鹿にせずちゃんとする人間)を言います。
日本らしい言葉ですね。

さて、ABC人間で思い起こすのが「「イエローハット」の鍵山相談役です。
鍵山相談役は、「掃除で経営を立て直した!」と言われるほどの方です。
「ABC人間」の極みかもしれません。
50年も前からトイレ掃除をはじめ、荒んだ社員の心に火をつけていきました。
経営でも「ABC」が重要である事を身をもって示してくれています。
また、鍵山相談役は、「凡事徹底」という言葉を大切にしているようです。
「凡事徹底」も「ABC」に近い言葉です。
「当たり前のことを徹底的にやれば、非凡になる」
つまり、皆が「当たり前」と思っていることでも、継続することは難しいものです。
そこで、自分だけが続けていれば、それは非凡な行為です。

まずは、「継続」。
もう一度、初心に返り、「ABC」と「凡事徹底」を心がけます。

「先義後利」

私の好きな言葉に「先義後利」があります。
これは、大丸百貨店の経営理念(現在は大丸松坂屋)でもあります。
この言葉は、江戸時代に大丸の前身でもある「大文字屋」を創業した下村彦右衛門正啓氏が、事業の根本理念として「先義而後利者栄」を定めたことから続いているようです。
要するに、「企業の利益は、お客様・社会への義を貫き、信頼を得ることでもたらせる」ということです。
「三方よし」もそうですが、日本の商慣習は本当に素晴らしいと思います。