オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

江戸時代の商人の生き様

江戸時代の商人の生き様を書き綴った「日本永代蔵」という書籍があります。

これは、西鶴が47歳の時に綴ったものです。

その中には、さまざまな長者や商人の姿が生々しい描写で描かれています。

序盤で面白かったのが、長者の家に生まれて後を継いだ倅が、親の代よりも倹約というよりも吝嗇ともいえる節約をします。

ところがある日、文とともにあった大金を手にしたことから没落が始まります。

その文は、女郎が男に当てたものだったらしいのですが、手に渡らずにここにあるのです。

文を読んで哀れみ、島原まで持参したのは良かったのですが、魔が差した挙句、あぶく銭だから記念に遊んでから帰ることにしたのが運のつき。

遊びの魔力に取り込まれた男は、結局、資産を使い果たし家を没落させてしまいました。

節約も大切ですが、やはり行き過ぎは良くないということでしょう。

何事も、ほどほどに・・・