DIAMOND Onlineに
『「見ていられないほど仕事ができない人」の残念な働き方・ワースト1』
という、なかなか刺激的なタイトルの記事が掲載されていました。
内容はシンプルで、かつ本質的です。
成果が出ない人ほど、マルチタスクに陥っている
という指摘でした。
■ マルチタスクは「器用」ではなく「消耗」
仕事が遅い人ほど、
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同時に複数の仕事を抱える
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連絡が来るたびに作業を切り替える
-
「全部やらなきゃ」と思い込む
という状態に陥りがちです。
一見すると忙しそうで、努力もしているように見えます。
でも、脳の仕組みから見ると、これは効率的でも能力的でもない。
脳は同時に複数のことを処理できません。
実際に起きているのは、
「同時進行」ではなく
高速な注意の切り替え
です。
この切り替えにはスイッチングコストがかかります。
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集中し直すのに時間がかかる
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認知負荷が増える
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ミスが増える
-
記憶に残らない
研究によっては、タスク切替で生産性が最大40%低下するとも言われています。
「頑張っているのに成果が出ない」
この正体は、能力不足ではなく集中の分散なのかもしれません。
■ 仕事ができる人は「一点集中」を設計している
一方、成果を出している人に共通するのは、
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すべてをやろうとしない
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優先順位を明確にする
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「今やる1つ」に集中する
という姿勢です。
ここで重要なのは、集中力が高いかどうかではないという点。
彼らは、
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通知を切る
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作業時間をブロックする
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環境を整える
-
「今はやらないこと」を決める
など、集中せざるを得ない状況を先につくっているのです。
集中は「意志」ではなく「設計」。
これはとても大事な視点だと思います。
■ マルチタスクが“許される仕事”もある
とはいえ、
マルチタスク=全部ダメ
という話でもありません。
研究や実務の知見を整理すると、
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深い思考
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学習
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企画
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判断
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クリエイティブな仕事
こうした仕事は、圧倒的にシングルタスク有利。
一方で、
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メール処理
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事務作業
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待ち時間が多い業務
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ルーティンワーク
こうした軽めの仕事では、限定的なタスク切替が合理的に機能する場合もあります。
ポイントは、
どの仕事を
どのレベルまで
同時に扱うか
を無自覚にしないこと。
■ 結局大事なのは「仕事の棚卸し」
この記事を読んで、改めて思ったのはこれです。
マルチタスクの問題は
「能力」ではなく
仕事の整理の問題
やるべきことを棚卸しし、
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今やること
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後でいいこと
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他人に任せられること
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そもそもやらなくていいこと
を分ける。
つまり、
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優先順位
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劣後順位
を決めることが、仕事の質を決める。
忙しいときほど「全部同時に」やりたくなりますが、本当に成果を出したいときほど、
一つずつ、確実に終わらせる
この姿勢が、遠回りに見えて最短ルートなのだと思います。
■ 「できない人」ではなく「設計されていない仕事」
最後に。
「仕事ができない人」という言葉は、少し乱暴です。
多くの場合、その人がダメなのではなく、
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仕事の構造
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優先順位の不在
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集中を妨げる環境
が整っていないだけ。
一点集中は、才能ではなく技術です。
環境を整え、仕事を分け、「今はこれだけ」と決める。
それだけで、仕事の手応えは驚くほど変わります。