オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

「結果にこだわる人」ほど伸び悩む理由

「こんなに頑張っているのに、成果が出ない」
そんな焦りや空回りを感じたことはありませんか?

佛心宗・大愚元勝住職は、著書『仕事も人間関係もうまくいく離れる力』(三笠書房)の中で、「結果にこだわるほど、かえって力を発揮できなくなる」と語っています。

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ボウリングのたとえが示す“本質”

大愚住職は、ボウリングを例にこう説きます。

「手を離れたボール(=結果)は、もう自分では動かせません。
大切なのは、投げるまでのプロセスに全力を注ぐことです。」

結果は「仏さまの領域」。
私たちができるのは、準備・努力・工夫といった “投げる前のプロセス” だけ。

「やるだけやって、あとはお任せ」という心構えこそ、
結果を呼び込むいちばんの近道なのかもしれません。


“利他の心”が結果を変える

もう一つ、大愚住職が強調するのは「利他の心」です。
それは、「自分だけが得をしたい」という損得勘定を離れ、
“相手の幸せを願う心” に立つということ。

利他の心で働くと、不思議なことに周囲が自然と協力してくれます。
視野も広がり、判断も冷静になる。
「自分さえ良ければ」と考えていたときよりも、
結果的に仕事もうまく回り、人間関係も穏やかになります。

この考え方は、京セラ創業者・稲盛和夫氏の経営哲学にも通じます。
「他を利する」ことが、めぐりめぐって自分を豊かにする――
仏教の根底にある考え方です。


結果ではなく“プロセス”を信じる

短期的な成果や数字に追われると、私たちはつい心をすり減らしてしまいます。
でも本当に大切なのは、結果そのものではなく、
その過程で どんな姿勢で取り組めたか

焦らず、比べず、目の前の一球を丁寧に投げる。
それがきっと、次の結果を変えていきます。


まとめ

  • 結果は「仏の領域」。自分ができるのはプロセスだけ。

  • 「利己」よりも「利他」で行動すると、信頼と成果がついてくる。

  • 「やるだけやって、あとはお任せ」という心構えが、結果を呼び込む。


仕事も人生も、“手を離れたボール”を追いかけすぎないこと。
自分の投げ方を丁寧に磨くことが、静かで強い成長につながるのだと思います。