オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

残業ゼロに舵を切った会社、その成果と課題

「定時で帰るなんて責任感がない」——そんな声が聞こえてきそうですが、株式会社みらいパートナーズの菊池正則さんは2021年から全社的に『残業ゼロ』を導入しました。
結果はどうだったのでしょうか。

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残業ゼロ導入の成果

  • 応募数が前年比165%増:就活生にとって魅力的な会社に。

  • 売上も126%増:経営的にも成長を実現。

  • 離職率は20%→5%へ改善:人が辞めない会社へ。

一見「残業を減らせば売上も下がるのでは?」と思われがちですが、実際は逆。効率化と改革が成果につながったそうです。


直面した課題と解決策

もちろん課題もありました。

  • 残業代がなくなることで「収入減」を懸念した社員が退職。

  • これを受けて、2024年に19,000円、翌2025年に20,000円のベースアップを実施し、収入減を補いました。

給与体系を見直すことで、残業代ありきの働き方から脱却できたということです。


生産性向上の仕掛け

  • 以前は「8時間で終わる仕事を9〜10時間かける」という非効率があった。

  • AIやデジタル技術を活用し、無駄な仕事を削減。

  • 定時で帰ることを前提に、仕事の進め方を工夫。

結果、働き方が引き締まり、生産性が向上したといいます。


「残業ゼロ」のメリットとデメリット

ただし、「残業ゼロ」を「そんなに効果的なんだ!」と安易に導入するとしっぺ返しがある可能性も……以下に、考えられるメリットとデメリットをあげましたので、参考にしてください。

 

メリット

  • ワークライフバランス改善(家庭・プライベートの時間が増える)

  • 健康維持、ストレス軽減

  • 人件費・光熱費削減

  • 業務効率化と企業イメージ向上

  • 優秀な人材確保、離職率の低下

デメリット

  • 業務のしわ寄せが別日に集中するリスク

  • 残業代が減り、収入不満が出る可能性

  • 顧客対応や突発トラブルへの即応性低下

  • 一部職種・部署では導入困難

  • サービス残業・仕事の持ち帰り発生の懸念


まとめ —— 中小企業にも可能性あり

菊池さんは「残業ゼロは大企業だけの特権ではなく、中小企業でも実現できる」と語ります。
工夫次第で 「社員にとって魅力的な職場」 をつくり出し、採用力・定着率・業績アップにつなげられるのです。


読者への問いかけ

  • あなたの職場で「残業ゼロ」を実現するために、どんな工夫ができるでしょうか?

  • もし残業がなくなったら、その時間を何に使いたいですか?

  • 「残業ゼロ」のメリットとデメリット、あなたはどちらを強く感じますか?

働き方改革の本質は、「時間を削る」ことではなく、働き方を見直すこと
あなた自身の仕事スタイルを振り返るきっかけにしてみませんか。