オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

「仕事ができる人」と「できない人」を分けるのは“能力”ではなく“ポジショニング”

「仕事ができる/できないの違いは何か?」と聞かれると、多くの人が「能力の差」と答えるかもしれません。
でも、DIAMOND Onlineに紹介されていた山口周さんのインタビューは、少し違う視点を提示していました。

決定的な違いは、能力そのものではなく“ポジショニング”にある。

diamond.jp


能力より「どこにいるか」が大事

山口さんは、仕事をジグソーパズルのピースにたとえます。
ピースの形(=個人の能力)だけでなく、周囲のピースとの関係(=環境や役割)によって“ハマる場所”が決まるのです。

つまり「どんなに能力が高くても、適切な場所にいなければ輝けない」。逆に言えば、突出した能力がなくても、良いポジションを取れれば成果を出せるということです。


「強み」よりも「特徴」を見つける

多くの人は「自分の強みを活かそう」と考えますが、山口さんは「強みは勘違いの可能性がある」と指摘します。
代わりに注目すべきは「特徴」。

  • 長く続けてきたこと

  • 苦にならずできてしまうこと

  • 気づけば人に頼まれること

こうした特徴は、自分では当たり前すぎて気づきにくいもの。けれど、キャリアの“軸”としてはずっと安定感があります。


環境を変えることで、ポジショニングを変える

もし現状に違和感があるなら、住む場所や人間関係を変えるのも有効だと山口さんは言います。
ポジショニングは「自分を置く場」で決まるからです。

実際、同じ人でも職場が変われば評価が一変することはよくあります。
「環境を変える」という戦略的な選択が、自分の特徴を活かす最短ルートになるのかもしれません。


バーチャル空間と「ペルソナ」

記事で面白いと感じたのは、バーチャル空間を活用することで新しいポジショニングを試せるという提案です。

ユング心理学の「ペルソナ(仮面)」の考え方になぞらえれば、人はもともと場面に応じてキャラクターを使い分けています。

  • 職場での自分

  • 家庭での自分

  • 友人関係での自分

SNSやゲーム、アバターなども、このペルソナを拡張する場です。
現実では出せない側面を表現することで、心理的なバランスを保ち、むしろ本来の自分を理解する助けになることもあります。


まとめ —— 戦略的に「立ち位置」を選ぶ

結局のところ、仕事で成果を出すカギは「能力を磨く」だけではなく、どの場でどの役割を担うかを戦略的に選ぶことです。

  • 自分の「特徴」を見つける

  • 活かせる環境や人間関係を選ぶ

  • ときにはバーチャル空間で新しい自分を試す

こうした「ポジショニング」の視点を持つことで、働き方やキャリアは大きく変わっていくのだと思います。