AI時代のキャリア戦略について、興味深い記事を見つけました。
この記事で語られているのは、起業家・けんすう(古川健介)さんによる、AI時代を生き抜くための視点です。
印象的だったのは、「きっちり仕事をこなす人ほど、AIに代替されやすい」という言葉。
丁寧に、着実に、指示されたことをミスなくこなす──これはこれまでの“優秀な社員像”でした。しかし、AIの台頭により、そうした“再現可能な働き方”は、真っ先に自動化の波にさらされる時代になっています。
では、どんな人がAI時代に生き残るのか?
けんすうさんが指摘する共通点は、「能力の高さ」でも「課題設定のユニークさ」でもなく、“好かれる力”=信頼され、選ばれる力だといいます。
つながりの中で選ばれる人に
この“好かれる力”は、単なる人気取りや社交性ではありません。
一緒に仕事をしたい、またお願いしたい──そう思われるような信頼関係、つまり“つながり資本”のことです。
かつては「個の力で活躍できる時代」と言われ、フリーランスやパラレルワーカーがもてはやされていました。しかし、専門業務の多くがAIで内製化される現在、「人にお願いする必要がある仕事」自体が減ってきているという現実があります。
つまり、「外注される仕事」は減り、「関係性の中でしか生まれない仕事」こそが残る時代へとシフトしているのです。
SQ(社会性知能指数)が問われる時代へ
この話をさらに深めてくれるのが、Daijob HRClubの記事です。
こちらの記事では、「SQ(Social Intelligence Quotient=社会性知能指数)」という概念が紹介されています。これは、EQ(感情知能指数)で知られるダニエル・ゴールマンによるもので、他者と良好な関係を築く力=社会を生き抜く力として位置づけられています。
組織において、SQの高い社員が増えれば、承認・共感が生まれ、イノベーションが育ちやすい環境になる。さらに、CSR活動や社外ネットワークの中で、社員のSQが磨かれていく構図も描かれていました。
全社員が高いSQを持つのは非現実的かもしれませんが、「2:6:2」の原則を活かし、つながりの核となる上位2割を育てることが、組織の“心おこし”になるという視点は、とても納得感があります。
“好かれる力”はつくれる
「人に好かれるなんて、才能や性格の問題では?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、けんすうさんもDaijob HRClubも共通しているのは、「関係性をつくる力」は、育てることができるという点です。
たとえば、
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話を丁寧に聴く
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相手の背景や立場を理解しようとする
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適切なフィードバックを行う
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一緒に経験を重ねる
こうした地道な積み重ねが、信頼関係をつくり、“この人とまた働きたい”というつながりを生むのだと思います。
キャリアの軸は「誰と働くか」へ
AIの登場により、「何ができるか」よりも、「誰と働いているか」「誰に応援されているか」が、キャリアの価値を決める時代が来ています。
成果主義や能力主義だけでは語れない、新たなキャリアのかたち──
それが、“つながり”を資本とする働き方です。
テクノロジーが進化すればするほど、人間らしい関係性の価値が問われる。
そんな時代を、私たちは今まさに生きているのかもしれません。