今年の新入社員が、仕事に何を求めているのか。
そのヒントを与えてくれる調査結果が、AdverTimes.に掲載されていました。
この記事では、ラーニングイノベーション総合研究所が実施した「2025年新入社員意識調査」(対象:3933人)の結果をもとに、若手の価値観や傾向が紹介されています。
その中で最も目を引いたのは、「仕事を通じて成し遂げたいこと」として「安定した生活を送りたい」(65.6%)が最多だったこと。
これに対して、「自分を成長させたい」と答えた割合は年々減少し、今年は50.1%と過去最低を記録したそうです。
これは、従来の「仕事で成長したい」「やりがいを求めて挑戦したい」といった前向きな意欲から、「安心して働きたい」「できれば長く続けられる環境がいい」という思考への変化を感じさせる結果です。
「楽しくてやりがいのある仕事」は希望されているけれど…
一方で、「取り組みたい仕事」として「楽しくてやりがいのある仕事」(69.1%)は依然としてトップ。ただ、「自身の成長につながる仕事」と答えた割合は、やはり減少傾向にあります。
このあたりのギャップに、今の若者世代の「しんどすぎる成長は望まない」「等身大で働ける仕事を求めたい」というリアルが透けて見えるように思います。
また、「悩んだときの対応」では、「自分で解決を考えて行動する」が最多ながら、「自分の中にため込んでしまう」もわずかずつ増加している点も見逃せません。“我慢強いけれど、助けを求めづらい”という一面もあるのかもしれません。
記事では、こうした傾向の背景に不安定な社会情勢(物価上昇、将来不安、パンデミック後の社会変化)があると分析しています。
上司やOJT担当者による傾聴やオープンクエスチョンなどの関わり方が、新入社員のメンタルケアや定着支援においてますます重要になってくるという指摘には、深くうなずかされました。
では、こうした変化はいつから始まっていたのでしょうか?
参考になるのが、NHKの「就活応援ニュースゼミ」に残っていた2019年の記事です。
この記事では、リクルートが行ってきた2010〜2019年の新入社員調査をもとに、「社会人として働くうえで大切にしたいこと」が、「ルール・マナー」から「スキルや知識」へと変化してきたことを紹介しています。
つまり、新入社員の価値観は、「礼儀や上下関係重視の時代」→「スキル志向」→「安定志向」という流れで変わってきたことが見てとれます。
また、上司に求める姿も、「叱って引っ張ってくれる人」から「耳を傾けてくれる人」「丁寧にサポートしてくれる人」へと変化。これは、管理職や育成担当にとっては、指導スタイルのアップデートが求められる流れでもあります。
「最近の若い人は…」と、つい言いたくなる場面もあるかもしれませんが、彼ら・彼女らは“今”の社会の空気を真っすぐに反映した存在でもあります。
成長を望まなくなったのではなく、「安心できる場でこそ成長できる」と考えるようになったのかもしれません。
だからこそ、「見守る」「寄り添う」「話を聴く」──そんな関わりの大切さを、あらためて感じています。