オフィスKojo 「伝刻の詞」

「人のこと」にまつわるさまざまなできごとを本質的な視点で見つめていきます。

「もうAIを使うな!」と注意した先輩に賞賛の嵐──そこにある“育成”の本質とは?

ChatGPTをはじめとした生成AIの普及により、ビジネスの現場でもAI活用が当たり前になりつつあります。
しかし、今春の新入社員世代には、上司や先輩に相談せず、AIだけを“相談相手”にしてしまう人も増えているようです。

そんな中、ある先輩が「もうAIを使うな!」と新入社員を注意したエピソードがYahoo!ニュースで話題となりました。
これは単なる“AI否定”ではなく、「人とともに考えること」の大切さを伝える行動だったのです。

news.yahoo.co.jp


AIは「見えていない」「感じていない」

生成AIはまるで人と話しているかのようにスムーズに応答してくれます。
でも、AIには“目”も“耳”も“肌感覚”もありません。

  • 打ち合わせの微妙な空気

  • 顧客の表情や間の取り方

  • 同僚の緊張や苛立ち

こうした「非言語的なヒント」は、AIには一切読み取れません。
現場での仕事には、そうした“感覚”を活かした判断が求められることが多々あります。


経験を通じてしか育たない「推論力」

記事では、判断力を支える3つの思考法も紹介されています。

  • 演繹法:一般法則 → 個別の結論を導く

  • 帰納法:個別の事例 → 共通点を抽出し法則を見つける

  • アブダクション:結果 → 原因を推測する(仮説)

特にアブダクションは、現場での仮説検証に欠かせない思考法。
「なぜ契約が取れなかったのか?」「なぜこの提案は刺さったのか?」──
こうした“なぜ”を考えることが、思考力や対応力を育てます。

この「仮説を立て、現場で試し、結果を受け止め、また考える」サイクルこそが、OJTの醍醐味であり、新人が成長するために不可欠な営みなのです。

www.hrpro.co.jp


アブダクションを支える職場文化を

ミライイの記事では、アブダクション(仮説推論)をビジネスに活かす方法も紹介されています。

アブダクションは、

“結果から原因を探る「新しい問い」を生み出す力”

です。だからこそ、正解のない現代のビジネスにおいてとても重要なスキルなのです。

そのためには…

  • 小さなプロジェクトから仮説検証を試せる環境

  • 失敗を責めない文化

  • 論理的思考を鍛えるためのトレーニン

が不可欠です。


「AIは補助、最終判断は“人”がする」

AIは、私たちに情報やヒントを与えてくれます。
でも、その情報を“どう活かすか”は私たち次第。

だからこそ、AIを使うなではなく、

「AIだけに頼るな」
という言葉が、新入社員にかけるべきメッセージなのかもしれません。

新人が育つには、「人とともに考えるプロセス」と「現場の試行錯誤」が必要です。
AIの時代だからこそ、人間が持つ“仮説思考力”と“感性”の価値を、改めて大切にしていきたいものですね。