日本の人事部に掲載された『マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2024年』の記事では、企業における最大の組織課題として「次世代の経営人材の育成」が挙げられており、人事担当者と管理職層が共に「メンバーの育成」を最重要視していることが明らかになっています。しかし、管理職層が難しいと感じている業務のトップは「メンバーのやる気を高めること」であり、ここに大きな負担があることが浮き彫りになっています。
管理職の最大の悩みである「部下のモチベーションをどう高めるか」という点について、多くの企業やマネジメント専門家が様々な方法を提案しています。
Unipos HRコラムに紹介されている7つの方法では、内発的・外発的モチベーションの違いを踏まえ、目標設定やフィードバックの重要性、感謝の表現などが効果的な手段として挙げられています。
部下のやる気を引き出すためには、単に指示を出すだけでなく、彼らの成長や達成感を促す仕組みが必要です。
しかし、ここで重要なのは「モチベーション」と「エンゲージメント」の違いです。
多くの人が混同しがちですが、エンゲージメントは、従業員が仕事にどれだけコミットしているかや、組織に対してどれだけの愛着を持っているかに焦点を当てています。
モチベーションは短期的なやる気ですが、エンゲージメントは長期的な関わりを重視しています。
まずエンゲージメントの向上に取り組むことで、モチベーションの持続も図れるという点を見逃してはいけません。
心理学の視点から見ると、「逆U字理論」がモチベーション・マネジメントに応用できることが示されています。
この理論によれば、適度な緊張や興奮が最も高いパフォーマンスを引き出し、過剰なストレスが逆にパフォーマンスを低下させるというものです。つまり、管理職は部下の覚醒水準を適切に調整し、プレッシャーを過度にかけすぎないようにしながらも、挑戦する環境を整えることが求められます。
管理職は部下のモチベーションを引き出すだけでなく、エンゲージメントを高め、長期的な成長と成果に繋げることが重要です。
リーダーとしての責務は、単に仕事を効率的に回すだけでなく、部下の成長をサポートし、職場での居場所や意義を見出せるように環境を整えることにあります。
このようなアプローチによって、持続的に高いパフォーマンスを発揮するチームを作り上げることができるでしょう。
モチベーションやエンゲージメントのバランスを取り、管理職としての役割を再評価することが、これからの組織運営には不可欠です。